ドリアン・グレイの肖像

ドリアン・グレイの肖像
オスカー・ワイルド
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戦争から十年、帰らぬ英雄と、待ちつづける妻と息子。古代ギリシャ語原文からの新訳で、第1歌から読む。
トロイア戦争から十年、ただ一人帰らぬ英雄オデュッセウス。怪物キュクロプス、魔女キルケ、海神ポセイドンの怒りを越えて、男は故郷イタケーをめざす。館では妻ペネロペと息子テレマコスが、居座る求婚者たちに耐えていた。ヨーロッパの教養の源流となったホメロスの叙事詩を、古代ギリシャ語原文からの新訳で、第1歌から。
物語の舞台は、伝説で紀元前12世紀頃とされる時代。トロイア戦争が終わってから十年が経っていた。戦いを生き延びた者たちが故郷へ帰り着くなか、イタケーの王オデュッセウスだけがなかなか帰らない。王の館には求婚者たちが居座って財産を食いつぶし、オデュッセウスの妻ペネロペは再婚を迫られ、父の顔を知らずに育った息子テレマコスは、大人になろうとしている。 ホメロスが語るのは、怪物との冒険だけではない。神々が集まって人間の運命を論じ、女神アテナは姿を変えて人々のあいだに現れる。そして英雄は、力よりも機転で道を開いていく。
古代ギリシャで、ホメロスの詩は子どもが暗誦して学ぶ教育の中心にあり、プラトンの時代には『ホメロスがギリシャを教育した』と言われていた。ローマでは最初期のラテン語文学のひとつがこの詩の翻訳であり、ウェルギリウスは『アエネーイス』でその形を受け継いだ。ルネサンス以降も古典教育の柱として読み継がれ、ジョイスの『ユリシーズ』をはじめ、近現代の文学や思想のなかで繰り返し登場してきた。英語で長い遍歴の旅を odyssey と呼ぶのも、この題名に由来する。
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